2005年02月18日

「金曜日の愛人」佐藤正午


きらら10号より


たぶん、わたしは金曜日の愛人タイプだと思った。
生まれてきたとき臍の緒が首に巻いてたわけでも、
無理して歯が欠けたわけでもないのだが。
生まれながらに不運だったと思うわけでもないのだが。
その不器用さに共感できるようなものを感じるのである。
そういうふうに生きてきたひとと、
なにか共有できるものがある気がしたのだ。

でもわたしには、
やってくるときに、
辛抱強く見守ってくれるような人はついていない。
きっとそこが、彼女とは別の運気で生きてきた証拠かもしれない。

そんなふうに見守る愛人がほしいけれど、
わたしには見守るひとがつかないということが、
わたしが金曜日の愛人になれない証拠のような気がしてしまった。

暖かい手を握って引いていくことが、
金曜のもつ華やかさと裏腹に、
そっと暮れていく週末への道を思わせてくれて、
金曜の夕方、わたしは何か心が満たされた。

posted by かてりな at 18:18| 埼玉 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日々のこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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