しあわせなことに、
わたしは夕飯をつくらなくてもいい日がある。
たまにではなくて、しょっちゅうである。
義母はバーモントカレーの信奉者らしい。
カレーはバーモントカレーの甘口じゃないと嫌らしい。
きょうは朝から、
「今晩はカレー」だといって張り切っていた。
だから、こんな時間でもわたしは手を出さないことにしている。
けれど内心、
バーモントカレーを使って、わたしが作りたいと思っている。
わたしは市販のカレールーの油がとても気になる。
だから野菜をいためる油を使いたくないのである。
もちろん炒めるのが普通の作り方だし、
そのほうがもしかするとおいしいのかもしれない。
でも炒める油を減らすと、
油の重さが少し減るように感じるのである。
そうはいっても、
どう作ったとしてもみんなカレーならおいしく食べるのだ。
誰も彼も。
首をひねって、食べないで済ませちゃうのはわたしくらいである。
みんなが夕食終わったころに、
そっと行って、
自分用になんちゃって豆腐チゲ(豆腐がなければキムチチゲ)を作って、
粉唐辛子をティスプーン1杯入れて真っ赤にして、
あちちちとつぶやきながら食べるのだ。
協調性がない。
でもこんなことをするようになったのも、
もしかすると夫のせいかもしれない。
彼は自分が食べたくないおかずのときは、
勝手に何か作って食べている。
足りないと思うときも。
実の母と食べ物の好みが違うところがあるので、
中学生のころからそうだったらしい。
勝手な性癖はうつるみたいだ。(マジ?)